大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(オ)168 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人柿本栄の上告理由第一点について。

しかし、被上告人の抗弁は、本件売買は当事者間の虚偽の意思表示に基く無効の

ものであるというのであつて、所論残存債権の存在並びに詐害行為取消の訴を免か

れんがため等の主張事実は右虚偽の意思表示を為すに至つた経緯に属するに過ぎな

いものであることは被上告人の答弁に照し明白である。されば、原判決が証拠に基

き右被上告人の抗弁事実を認定した以上該抗弁事実の原因乃至縁由に関する事情の

判断が被上告人の主張するところと異つたとしても、当事者間の最も重要な唯一の

争点を判断しない不法があるとはいえないし、また、当事者の主張しない事実を判

断した違法があるともいえない。それ故論旨は採用し難い。

同第二点について。

しかし、所論乙第四、五、六号証並びに債権者から取消訴権の行使を受ける恐れ

があつたとの被上告人の主張は原判決はこれを採用しなかつたものである。その他

所論は、原判決が適法に認定した事実認定を非難するに過ぎないものと解されるか

ら、適法な上告理由と認め難い。

同第三点について。

しかし、高等裁判所判事が裁判官であることは裁判所法五条、一五条等で明白で

ある。そして、原判決の判決書に裁判官の署名捺印が存しないとの主張は、原判決

が法令に違反したとの適法な上告理由に当らないし、また、高等裁判所判事が裁判

官であること前述の通りであるから、判決書に高等裁判所判事と表示したからとい

つて裁判官でない判事によつて裁判された違法の裁判であるともいえない。それ故

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本論旨も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致の意見で主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

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